あらゆる粉体・粒体の加工分野がターゲット
カワタはその長い歴史の中で、常に顧客のニーズを的確に読み取り、時代の要請に対応した製品を開発することで成長を続けてきました。
これまではその活躍の場はプラスチック加工現場が中心でした。
しかし、伝統的なプラスチック関連の分野で磐石のポジションをキープする一方で、これまでに培った技術を応用してプラスチック以外の分野への進出が始まっています。
事例
case01 飛躍する液晶素材分野
2011年7月にTVのアナログ放送がデジタル放送に移行するのに伴い、液晶TVの国内出荷台数は、おおよそ05年250万台、06年470万台、07年710万台、08年は840万台と飛躍的に伸びております。
08年後半より09年前半は減速傾向があるものの、5月より実施された省エネ家電エコポイント制の影響もあり順調な推移が見込まれ、デジタル放送の移行後の2013年までは安定した需要が続くと考えられます。
液晶TVの表面は、様々な機能を持った高機能フィルムやガラス基板といった複数の層を製膜またはラミネートといった工程を経て張り合わされています。
各層のロール機(薄くシート状加工する機械)による加工時、精度、強度、透明性を確保するためは高度な温度調節が必要であり、カワタの熱媒体循環温度調節機が液晶素材分野にて広く利用されています。
case02 無限の可能性を秘める磁性体材料分野
ハードディスクドライブやCDプレーヤー、携帯電話等に搭載される強力な磁石。
リニアモーターカーをはじめとする次世代交通手段や今後、需要が増加すると見られるハイブリッド車、電気自動車には更なる高機能、高性能な磁石が必要不可欠となっています。これら高出力モーターの磁石は、ネオジム(Nd)とジスプロシウム(Dy)といった希土類元素(レアーアース)の添加により保磁力を高めています。
カワタのスーパーミキサーは、独創的なアイデアが凝縮された流動混合技術により、あらゆる磁性体の混合工程において広く利用されおり、今後もその活躍の場が期待されます。
case03 ハイブリッドカーで使われるリチウムイオン電池にもカワタの技術
高容量電池として注目されているリチウムイオン二次電池(繰り返し充電が可能な電池)は、他の小型二次電池であるニッケル・カドミウム(Ni-Cd)電池やニッケル水素(NiMH) 電池に比べ、同一電気容量では軽量・小型となるため、ノート型パソコンや携帯電話を中心とするほとんどのポータブル機器電源として利用され、最近はハイブリッド自動車用バッテリーとして急速に需要が拡大しつつあります。
電池は負極で発生したイオンが正極に移動することにより、電気が起こります。充電時は逆の方向にイオンが移動することにより、繰り返し利用することができます。
正極側の材料(正極材)として一般的に使用されるのがコバルト酸リチウムで、カワタの混合機(スーパーミキサー)による乾式混合技術が高く評価されています。
また、正極材と負極材の間にはセパレータと呼ばれるポリエチレン(超高分子量PE)やポリプロピレン(PP)製の微多孔膜が用いられており、両極物質の接触に伴う短絡防止や電解液を保持して導電性を確保する役割を担っています。このセパレータの製造工程においても、カワタが最も得意とする光ディスク分野で確立したクリーン技術をベースとした原料輸送乾燥供給システムが活用されており、石化燃料が中心であるエネルギー業界より電池を中心とした産業構造に変わりつつある転換期、カワタの技術が様々な用途で活躍しています。
新時代を支える
素材技術への挑戦
歴史を通してカワタは常に新しい時代を切り開く素材の加工における省力化に貢献してきました。こうしたカワタのフロンティア精神は現在でも変わることなく脈々と引き継がれています。
その好例となるのが「ニューエネルギー素材への取組み」。カワタが主戦場としてきたプラスチックは石油と言うまさに化石燃料を原料にした素材ですが、カワタではこうした化石燃料以外に将来の世界のエネルギー需要をサポートする分野にも積極果敢に進出しています。